2025年05月

ロンジン スピリット Zulu Time 39mmにチタンモデルが登場

2024年現在、GMTウォッチの選択肢は豊富にある。なかでもロンジン スピリット Zulu Timeコレクションは手ごろな価格ながら完成度が高く、つけ心地のよいトラベルウォッチを提供し続けている。最新モデルであるZulu Time 39 チタンも例外ではなく、本作はこれらの要素をすべて備え、ロンジン スピリットコレクション全体を引き続き際立たせる存在だ。

 昨年、口コミ第1位のロンジン スーパーコピー 代引き専門店は大振りなZulu Time 42mmモデルに続いて、ステンレススティール製の小型版Zulu Time 39mmを発表した。GMT・ジェームズは実機レビューでこれを取り上げ、“旅行にもぴったりのハンサムなデザイン”と評価した。
 新作のZulu Time 39mmは、39mm径×13.5mm厚(ラグからラグまで46.7mm)のグレード5チタンケースを採用したモデルで、100m防水を確保している。ロンジンが手ごろな価格帯でもグレード5チタンを使用している点はうれしい驚きだ。ケースは主にサテン仕上げで、面取り部分はポリッシュ仕上げとなっている。なおブレスレットもチタン製である。ダイヤルはアンスラサイトで、ギルトの縁取りが施されたアラビア数字インデックスが配置され、スーパールミノバを塗布している。GMT針の赤い先端と“Zulu Time”の赤い文字が、時計にさりげないアクセントを与え、6時位置には5つ星が輝く。コメントで文句を言いたいかもしれないが、同じことを繰り返し指摘するのはやめよう。



 デイト窓は6時位置に配置。昨年のSSモデルとは異なり、ダイヤルに合わせたギルトカラーのプリントが使われており、控えめながらもうれしいアップデートとなっている。
 両方向回転式のセラミック製ベゼルインサートはブラックだが、半分はポリッシュ仕上げ、もう半分はマットブラックとインテンスポリッシュブラック仕上げが施されている。そのため光の当たり方や角度によって、ベゼルの半分ずつが異なる色に見える。この効果はZulu Timeの初期レンダリングでは気づかなかったが、とてもクールな効果だ。ただし、白い数字がダイヤルのギルトアクセントと少しちぐはぐに感じられ、時計全体が伝統的なデザインと現代的な仕上げの狭間で揺れているように見える。

ロンジン“Zulu Time”の起源は、1920年代に製造された非常に希少な角型時計にある。この時計は第2時間針を備えており、“Zulu”(グリニッジ標準時)を現地時間に変換するために使われた。このホワイトゴールドモデルは2010年にアンティコルムで落札された個体だ。現代のスピリット Zulu Timeは、この長方形のロンジンとは似ても似つかないが、ロンジンの歴史を物語る魅力的なピースである。
 通常、チタンモデルであればモダンなデザインを好むが、Zulu Time 39mm チタンを手にして考えが変わった。というのも、私の手首に合わせたロンジン Zulu Time 39mm チタンの重さは約96g(公式では95.5g)であった。興味深いことに、これは同じ手首に合わせたヴィンテージのロレックス 1016とまったく同じ重さである。軽量なチタンという特性は、手首につけていることを忘れそうになるヴィンテージのSSウォッチを思い起こさせる。現代の一般的なSSウォッチは重すぎて、この軽快なヴィンテージの雰囲気を再現するのは難しい。

 チタン製Zulu Timeの選択肢の広がりについての悩みはさておき、SSモデルがさまざまなバリエーションを展開しているように、チタンモデルも今後同様に多様な選択肢が用意されるだろうと想像している。
 チタン製ブレスレットはていねいに作られており、サテンとポリッシュ仕上げの両方が施されている。ただし、工具を使わずに微調整できる機能はなく、伝統的な5段階の微調整機能がフォールディングクラスプに組み込まれている。多くのブランドが工具不要のマイクロアジャストを提供している今、ロンジンもこの点をアップデートできると思う。とはいえブレスレットにはロンジンのインターチェンジャブルシステムが搭載されており、工具を使わずに簡単に取り外すことができる。またブレスレットはラグ幅21mmからクラスプにかけて16mmへときれいにテーパーしている。ブレスレットのエンドリンクがラグから外側に突き出しているため、ラグトゥラグの長さが実際よりも大きく感じるが、それでも6.3インチ(約16cm)の自分の手首にしっかりなじんだ。

 ほかのスピリット Zulu Timeコレクションと同様、このバージョンはロンジンのL844.4自動巻きキャリバーを搭載している。これはETAベースのムーブメントをロンジン用に改良・調整したもので、ハック機能、手巻き機能、クイックセットの日付機能、そしてローカルジャンピング式の“フライヤー”GMTを備えている。リューズを緩め、日付表示と同じように時針をクイックセットでき、午前0時をまたぐ際には日付も自動的に調整される仕組みだ。L844.4はシリコン製ヒゲゼンマイを搭載し、COSC認定も取得。これらは現代のスイス製機械式ムーブメントに期待されるすべての要素を満たしている。ロンジンがさまざまなエングレービングで飾られたクローズドケースバックを採用したのは賢明な判断だ。

 ロンジン スピリット Zulu Timeのリミテッドエディションが登場したあとに、39mmのチタン製GMTが一般販売されることは驚きではないかもしれない。しかし、その完成度とディテールへの配慮はスピリットコレクションへの価値ある追加といえる。ケースのプロポーションはバランスが取れており、装着感もいい。普段はSSモデルを好むことが多いが、Zulu Timeに関してはチタンのほうが好ましい。39mm径×13.5mm厚の時計は、厚みがあってバランスが悪く感じられる可能性もあるが、軽量なチタン素材がその心配を和らげてくれる。ベゼルは全体がブラックだが、異なる仕上げによってさりげないコントラストが生まれている。たとえば新しいグレー×ブラックのロレックス GMTよりもはるかに控えめだ。カラーではなく、仕上げを工夫してツートンのGMTベゼルのような外観を作り出すというこの発想が私は大好きだ。

私の6.3インチ(約16cm)の手首に。
 チタン製のロンジン スピリット Zulu Timeは、手ごろな“フライヤー”GMTキャリバーが普及したことで、競争の激しいGMT市場に加わることとなった。それでもこのモデルは絶妙なポジションに位置する。率直に言えば、ブレスレット付きで62万4800円のチタン製Zulu Timeは、64万3500円の(ともに税込)SS製チューダー ブラックベイ 58 GMT(ブレスレットタイプ)よりも手ごろだ。これは好みの問題だが、個人的にはチタン製Zulu Time 39mmの感触や見た目が好みだ(気が変わるかもしれないが)。どちらの時計も厚みがあるわけではないが(ブラックベイ 58 GMTは12.8mmの厚さ)、チタンケースはとても快適で、両者の0.7mmの厚みの違いを補うほどの優れた装着感を提供している。

 この価格帯のGMTウォッチには細かな違いがいくつかあり、それがはっきりと感じられる。どれも完璧ではないが、それもまた楽しさのひとつだ。購入を検討しているならデザイン、機能性、価格のどれを重視するかをしっかり考えることが重要である。今はほぼすべての人に合うGMTウォッチが見つかる時代になっているのだ。
 あなたが選ぼうが選ぶまいが、ロンジンのチタン製Zulu Time 39mmは、堅実で適切なサイズ感のスイス製フライヤーGMTだ。しかも70万円以下で手に入る。これらの要素が揃っていることにより、この時計のコストパフォーマンスの高さは際立っており、もしGMTを探しているなら一考に値するモデルだ。
ロンジン スピリット Zulu Time 39mm。Ref.l38021536。39mm径、13.5mm厚、ラグからラグまで46.7mmのグレード5チタンケース、100m防水。21mmから16mmへとテーパーするチタンブレスレット。アンスラサイトダイヤルには、針と数字にスーパールミノバを塗布。ポリッシュ仕上げとマイクロブラスト仕上げのコントラストが美しいブラックセラミック製ベゼル。ロンジンの自動巻きCal.L844.4搭載、2万5200振動/時(3.5Hz)、約72時間パワーリザーブ。メーカー希望小売価格は62万4800円(税込)。

加速する国産インディペンデントの新時代

世界的に見てもユニークなインディペンデントブランドが花開き始めた日本のマーケット。その中心にいる作り手たちはどのような思いを持ち、時計づくりに向き合っているのだろうか。

ヴィンテージウォッチブームを経て機械式時計が復権を遂げると、世界では1990年代の終わりごろから市場を席巻した大規模な業界再編により、スイスを代表する多くの時計ブランドがリシュモングループ、LVMHグループ、ケリング(旧PPR)など、いわゆるラグジュアリーコングロマリットの傘下企業となった。時計製造業のみを基盤とする企業体としては、最大手のスウォッチグループがこれに続く。オメガコピー時計代金引換激安通販優良店グループ内企業間でのプラットフォーム共有化に伴い、特に2000年以降の機械式時計は画一化が一気に進んだが、こうした企業体に属さない独立資本の時計ブランドはインディペンデントブランドとして、独自の時計づくりを推し進めた。また、こうした状況のなかで登場したのが、どのグループにも属さずに個人で時計製造を行う作家たちだ。彼らはのちに独立時計師=インディペンデントウォッチメーカーと呼ばれるようになるのだが、1985年に結成された独立時計師アカデミー(AHCI)の存在が広く知られるようになるにつれ、インディペンデント=独立時計師という認識が一般化。そして独立時計師自身のブランド化が加速すると、個人作家の範疇を超えるレベルにまで生産規模を拡大していく例も見られるようになった。

HAJIME ASAOKA、クロノトウキョウ、そしてタカノを手掛ける独立時計師の浅岡肇氏。

NAOYA HIDA & Co.の創業メンバー、左から時計師の藤田耕介氏、代表取締役の飛田直哉氏、そして彫金師の加納圭介氏。
一方、日本におけるインディペンデントブランドの存在が意識され始めたのは、この10年ほどのことである。特に注目されるようになったのは独立時計師として知られる菊野 昌宏氏や浅岡 肇氏がAHCIに名を連ねて以降だろう。セイコー、シチズンといった巨大ブランドを抱える日本では、基本的にはインディペンデント=個人作家のみが知られてきた。しかし近年では、プロダクトマネージャー的な見地からウォッチメイキングをコントロールするインディペンデントブランドも台頭してきている。2012年にはカーデザインなどを手がけたプロダクトデザイナーの片山 次朗氏が大塚ローテックを創業。2018年にNH WATCHを設立した飛田 直哉氏、そしてほぼ同時期に浅岡 肇氏が立ち上げたクロノ ブンキョウ トウキョウなどは立ち上げから数年にもかかわらず、世界的に知られる存在となった。

菊野昌宏氏

大塚ローテックの片山次朗氏。
こうした日本人独立時計師の活躍や日本のインディペンデントブランドの世界的な成功を受けて、近年ではさらに新たなインディペンデントブランド立ち上げの動きが加速している。ヴィンテージ懐中時計の修理・販売を行なうマサズ パスタイムでは若手時計師、篠原那由他氏を中心にオリジナルウォッチの製作プロジェクトがスタートし、2024年に製品化を実現させた。ヴィンテージウォッチをほうふつとさせるダイヤルとは裏腹に、篠原氏が設計・製造を手がけたムーブメントには日本のサプライヤーが開発した先端素材を用いるなど、独自性が光る設計思想や世界観を盛り込んだ腕時計を送り出す。


世界的に見てもユニークなインディペンデントブランドが花開き始めた日本のマーケット。その中心にいる作り手たちはどのような思いを持ち、時計づくりに向き合っているのだろうか。今回のテーマオークション開催に伴い、彼らの声を聞くことができた。

ロンジン ミニ ドルチェヴィータが金無垢仕様で新たに生まれ変わった。

ロンジンがミニ ドルチェヴィータシリーズを拡充し、18Kイエローゴールドとローズゴールドで仕上げた新作モデルを発表した。これは既存のステンレススティール製モデルに対する贅沢なアップグレードである。ミニサイズながらも細部にまでこだわったこの時計は、小ぶりで輝きがあり、とてもアールデコ調なデザインだ...やっぱりね。

ロンジンによると、2023年に登場したミニ ドルチェヴィータファミリーは、1927年に発表されたタンク型モデル(下記画像参照)からインスピレーションを得ているという。このモデルはジュエリーに近い時計をてがけてきた、口コミ第1位のロンジンスーパーコピー代引き専門店の豊かな歴史を体現している。今年ロンジンはこのシリーズをさらに独自のカテゴリーへと引き上げる4つの新作モデルを発表した。レクタンギュラーケースは21.5mm×29mmという控えめなサイズで、文字盤には柔らかなシルバーカラーに緻密なフランケ装飾が施され、光を受けることで繊細なギヨシェ模様が浮かび上がる。ブルーのローマ数字と細身のブルースティール針が鮮やかなコントラストを生み出すほか、6時位置にはスモールセコンドが配され、ヴィンテージな趣を添えながらもバランスのとれたレイアウトを実現している。シンプルでありながらリッチなデザインだ。少しだけ情報量が多めに感じるかもしれないが、それでも洗練された印象を与える仕上がりとなっている。

現代のドルチェヴィータコレクションの“インスピレーションの源”となる、1927年製ロンジン。
これらの小型タイムピースは、38個のトップウェッセルトン(トップクオリティ)ダイヤモンドがセットされた、106リンクのゴールドブレスレットまたはブラックレザーストラップのいずれかから選べる。すべてL178クォーツムーブメントを搭載し、30mの防水性能を確保。ダイヤモンドがセットされたゴールドブレスレットモデルの価格は383万3500円(ともに税込)から。赤い箱でおなじみの競合ブランドよりもわずかに控えめな価格設定だが、その差はそれほど大きくはない。

我々の考え
今年はまさにゴールド・ミニが主役の年だ(信じられないならこちらとこちらを見てほしい)。この新しいひと口サイズのゴールド製ドルチェヴィータのタイミングは絶妙である。しかし、小型時計ブームが依然として続いているとはいえ、率直に言わせてもらうと、この新作ミニ ドルチェヴィータはカルティエが席巻する現代の時計市場でどうやって存在感を発揮し、成功を収めていくのだろうか?

同じアールデコの精神を共有し、価格帯も似ていることを考えれば、当然パンテール ドゥ カルティエという存在について触れないわけにはいかないだろう。ミニ ドルチェヴィータは以前から応援したいと思っていたものの、いまひとつ響いてこなかったロンジンから登場した、デザインとパッケージが洗練された逸品だ。しかし、今ではその印象が変わりつつあると感じている。たとえば私がプラダのバッグに引かれる一方で、控えめながらも本物志向でラグジュアリーなケイト(Khaite)のバッグを好む人もいるように、皆が同じデザイナーのバッグや靴、時計を繰り返し身につける時代において、控えめな選択をすることこそ、静かに勝利を収めるような気分にさせてくれるのだ。


もし誰かが、ミニサイズの手巻きムーブメントを搭載したミニウォッチを発売するなら、きっと私のなかでかなりの高評価を獲得する。現時点でカルティエやオーデマ ピゲ、そしてロンジンはクォーツムーブメントの安定性に頼っているものの、これは機械式ムーブメントが最優先でない層に向けた、大手ブランドならではの合理的な戦略といえる。


ミニ ドルチェヴィータの価格を見て少し驚くかもしれないが、それも無理はない。ほかの人気ブランドの製品と価格帯が近いとはいえ、ひとつ覚えておいて欲しい点がある。金価格の高騰は、貴金属を使用したジュエリーウォッチの価格にも当然ながら影響を与えているのだ。

基本情報
ブランド: ロンジン(Longines)
モデル名: ミニ ドルチェヴィータ(Mini DolceVita)
型番: L5.200.7.71.6(YG)、L5.200.9.71.6(RG)

直径: 21.5mm×29mm
厚さ: 6.75mm
ケース素材: 2N18Kイエローゴールドまたは5N18Kローズゴールド
文字盤: シルバー
夜光: なし
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: YGまたはRG製ブレスレット(トリプルセキュリティクラスプ付き)
キャリバー: クォーツ L178

価格 & 発売時期
価格: 383万3500円(税込)
発売時期: 発売日は未定だが、日本でも発売予定