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ノモス・グラスヒュッテ タンジェント 38 デイトにグラスヒュッテ時計製造175周年を記念した、

ノモス グラスヒュッテのカラフルなスーパー30コレクションを調査したことは、私たちが予想していたよりもタイムリーな出来事かつ運命的なものであったようだ(まだ読んでいない方は、今すぐ読むことをおすすめする。本当に素晴らしい記事だ)。グラスヒュッテ地域の時計製造産業が今年で175周年を迎えると考えると、ノモスがファンキーなカラーワーク文字盤を用いてこの文化的な節目を祝うのはとてもふさわしいと感じるが、それをどこまで実行するかはちょっとした楽しいサプライズとなる。本日、ブランドはその最新の実験をタンジェント 38 デイトでスタートした。同シリーズは、各モデル175本限定で、31種類の異なるダイヤルカラーコンビネーションで構成される。

カラーラインナップは無難で控えめなものから、大胆に映えるものまでさまざま展開。これをスペクトラムとして例えると、クラシックなタンジェントが端にあり、鮮やかなホットピンクの“チリ(Chili)”がその対極に位置するだろう。シュネーストゥルム(Schneesturm)モデルのブルー&ホワイトの色合いは、オメガコピー 代金引換優良サイトその真ん中に位置する。ドイツ語を母国語とする人にとっては、このシリーズに登場する名前の多くは文化的な共通点があるとわかるだろうが、英語話者として発音してみるのはそれ以上に楽しい。これらの読み方をルールとした、飲み会を盛り上げるゲームがどこかにあるはずだ…。

全カラーのラインナップ。ドゥンケルブント(Dunkelbunt)は私の好きな名前かもしれない…。
この色使いで行われた興味深い構造的側面は、各モデルのムーブメントを囲むように配置された特大の日付ディスクが、独自の色合いで表現されたことだ。それを踏まえると、この新しいアプローチによる色の使用は、同コレクションの大きな新規性である。なおスペック的には既存のタンジェント 38 デイトシリーズと同じだ。

どのモデルも、ノモスらしい細長いラグを備えたドレッシーな37.5mm径ステンレススティールケースに収められており、プリントされた書体と文字盤のレイアウトは、ブランドの特徴であるバウハウスにインスパイアされたミニマルデザインを表している。スモールセコンドのインダイヤルは、6時位置、前述した特大の日付窓の真上に配置され、ほかの色と補完し合うか、あるいは劇的に対照を成す色で彩られている。

このシリーズに搭載されるムーブメントはノモス製Cal.DUW 4101だ。同ムーブメントは手巻きで、ノモススウィングシステムと呼ばれる脱進機を搭載。約42時間のパワーリザーブを持ち、クロノメーター認定を取得している。サファイアクリスタル製のシースルーバックからはムーブメントが鑑賞でき、各モデルには固有のシリアルナンバーが刻印される。

我々の考え
私が、楽しくてカラフルな文字盤に弱いと自称していることは、すでに十分に明らかにしている。したがって、このシリーズはまさに私の好みにぴったりなのだ。お気に入りを選べと言われたら、特にピンクとオレンジから成るフラミンゴピンク(Flamingo Pink)に親近感を覚える。

ノモスはよりドレッシーなカテゴリに傾倒する、明確に定義された美的精神を持ったブランドであり、私はその遊び心と堅苦しさへの非難に抵抗する姿勢を高く評価している。各色175本と少ないこともあって、いつ見ても楽しいオリジナルのスーパー30コレクションと同様に収集する楽しさがあり、戦略的な観点からも賢明である。ノモスフリークのなかには、間違いなく全種類集めるために奔走する人もいるだろう。

このシリーズの価格設定もまた斬新だ。通常、スペシャルエディションにはスペシャルエディション用の価格が付くのだろうが、このシリーズの各モデルはソリッドバックのタンジェント 38 デイトよりもわずかに安い。それは大幅な値下げではないものの、代わりにそれを受け入れる。

基本情報

ブランド: ノモス グラスヒュッテ(Nomos Glashütte)
モデル名: タンジェント 38 デイト(Tangente 38 Date)

直径: 37.5mm
厚さ: 6.8mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤: 全31種のマルチカラー
夜光: なし
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: バリエーションの異なるストラップ

ムーブメント情報

キャリバー: DUW 4101
機能: 時・分・スモールセコンド、日付表示
直径: 32.1mm
厚さ: 2.8mm
パワーリザーブ: 約42時間
巻き上げ方式: 手巻き
石数: 23
クロノメーター: あり

価格 & 発売時期
価格: すべて38万5000 万円(税込)
発売時期: すぐに
限定: あり、世界限定各175本

時計に対して感じている魅力の大部分がノスタルジーにあると考えているのは、

これは時計とクルマへの情熱を結びつける重要なパーツのひとつであり、メカニカルな要素に限らず、デザイン上のロマンについても向けられるものである。2023年にラグナ・セカで開催されたレンシュポルトを訪れたとき、私は時計と自動車の歴史のなかで時計が果たしてきた役割への郷愁に深く引き込まれた。そこでは信じられないようなクルマ、興味深い時計、そしてその両方に魅了された大勢の人々を見ることができた。しかし何よりも私の心に残ったのは、そこにあったダッシュボードタイマーだった。


そう、タグ・ホイヤースーパーコピー 代引きのブースにはあらゆるものが展示されていたが、そのなかでも古いラリータイマーとポルシェ 718 ケイマン GT4 RSパナメリカーナに搭載された新しいダッシュボードタイマー&クロックのペアを眺めながら、私は数分ほどぼうっと立ち尽くしていた。そのとき、私は心のなかで思っていた。「なぜ、もうこのようなプロダクトを誰も作っていないのだろう」と。そして、何かノスタルジックで素敵なものを見つけたときと同じように、私はすぐにスマートフォンを取り出し、ホイヤーの古いダッシュボードタイマーの情報を探し始めた。

718 ケイマン GT4 RS パナメリカーナのホイヤー カレラ ダッシュボードタイマー。

このクルマは明らかに、ダッシュボードタイマーを取り付けるためだけに作られたように見えるだろう?


いまダッシュボードタイマーが欲しいなら、市場にひとついい選択肢がある。ハンハルトだ。しかし、バルチックのおかげで選択肢がもうひとつできた。実際、リリースの数週間前に一緒に時間を過ごすことができたこのセットに対する最大の驚きは、その点にあった。バルチックは素晴らしい時計を製造しており、彼らが新しいクロノグラフを発表したと聞けば、最高のものが上がってくると期待することができる。信じて欲しいが、私もバルチックを1本所有している。しかし彼らが次の限定版をダッシュボードタイマーをセットにして発表すると教えてくれたとき、それは驚きであると同時に、おそらく必要ではないけれど欲しくてたまらないものを買うように誘惑する、私の脳のノスタルジーに支配された部分を心地よく刺激した。まずは時計について見ていこう。

バルチックの新しい限定セットの構想は、4月21日から27日まで開催されるフランスのロードラリー、ツアー・オート2024の公式タイムキーパーを務めるブランドの活動を後押しするという目的から生まれた。このラリーの起源は1899年に始まったツール・ド・フランス・オートモービルにさかのぼり、現存する最古のラリーとなる。今回のルートはパリからビアリッツまでとなっており、ル・マン、ヴァル・ド・ヴィエンヌ、ノガロ、パウ・アルノスの各サーキットを経由する。ある意味、このような若いブランドがこのような古いレースと関係を結ぶのは少し不思議かもしれない。しかし彼らと会話をするなかで、バルチックのチームがカースポーツとクルマの歴史をこよなく愛していることが分かった。

バルチックのクルーはこのイベントのスポンサーであるだけでなく、参加者でもある。彼らはバルチックのデザインを落とし込んだBMW M1を所有している。伝説のラリーカーであり、パリ・ダカール・ラリーで4度の優勝経験を持つアリ・バタネン(Ari Vatanen)がチームのドライバーを務めている。クルマも時計も一般的に高価な趣味だが、この限定クロノグラフが示しているように必ずしも高価である必要はない。

バルチックの3レジスター クロノグラフをいくつか取り扱ったことがある私の目に真っ先に飛び込んできたのは、非常にきれいに仕上げられた繊細なトリコローレフレンチのテーマだった。赤、白、青がミックスされ、それぞれ微妙に異なる色合いを時計の各所に配している。この3色は互いに衝突しない程度に調和がとれており、“星条旗柄”のショートパンツのようにフランスのナショナリズムを前面に押し出すようなこともない。


ケースのサイズは直径39.5mm×厚さ13.5mm(厚さのうち2.5mmは大型のダブルドーム型クリスタルによる)で、ラグ幅は20mm、ラグからラグまでの長さは47mmとなっている。クラシックなデザインを現代的に再現した時計としては、ごく一般的なサイズ感だ。その内部には、9時位置に秒針停止機能付きのスモールセコンド、3時位置に30分積算計、6時位置に12時間積算計を備えたセリタ製カム式クロノグラフの手巻きムーブメント SW510-Mが搭載されている。2万8800振動/時で駆動し、パワーリザーブは63時間だ。

このようなメモリアルウォッチは、もしあなたがお金を払ってミッレミリアに出場しているのであればショパールからもらえるような、その大会における素晴らしい記念品となる。だが、ブランドが時計に“テーマ付け”をしたり、あるいは標準的なリリースと差別化する方法は多岐にわたる。バルチックはトリコロールのアクセントに加えて、文字盤の下部で“TOUR AUTO”の文字を強調した。また、ケースバックにもラリーのロゴを配し、そこにはシリアルナンバー入りの限定モデル(500本限定)である旨も示されている。

そのほかは、私がすでに所有しているバルチックのクロノグラフで気に入っている基本な要素をしっかりと踏襲している。ドリルラグ、しっかりとしたポンプ型プッシャー、リューズの適切な巻き上げ動作などだ。サテン仕上げのアルミニウムベゼルの上では、すでに色褪せてしまったような質感のゴールドのレタリングがトリコロールとは別にポップな印象を添えている。

ストラップの交換が簡単なドリルラグを採用しているが、バルチックはステンレススティール製のフラットリンクブレスレットにもクイックチェンジシステムを搭載している。また、カースタイリングのいいアクセントとして、上質な質感のネイビーブルーのアルカンターラストラップが付属している。もともとはブレスレットでの装着を好んでいた私だが、最近はストラップもよく使うようになった。適切なストラップであれば、印象はまったく違ってくる。

さて、この新しい限定セットで私が本当に驚いたことに話を戻そう。各ボックスには、前述のダッシュボードタイマーも付属しているのだ。そのデザインとレイアウトは、先ほどお見せしたクロノグラフウォッチとよくマッチしている。左のモジュールは30分積算計を備えたフライバッククロノグラフで、フランス国旗にインスパイアされたデザインコードを踏襲している。右側は、レトロな魅力が漂う素敵なフォントを選択した極めて実用的な時計である。

しかし、バルチックはこれらを単独で開発したわけではない。あるブランドが、時代錯誤の機械式ダッシュタイマーの市場をほぼ掌握しているという話をしたのを覚えているだろうか。このフライバック機能付きストップウォッチは、ハンハルトの機械式ムーブメントを搭載している。リセットの動作は少々不安定で、時折最後まで押し込めず、部分的にしかゼロに戻らないことがあった。まあそれがレースの真っ最中なら、おそらく私は必死にこのグリップを握りしめ、命懸けでクリックを繰り返すことだろう。

一方、時計はシーガルのST3600/6497ムーブメントを搭載している。これについては多くを語るつもりはない。時計をセットして動かしてみたが、問題なく動いているように見えた。プロトタイプのダイヤル下部には“2023”と書かれている。当然、実際の発売時にはこの数字は更新されるだろう。しかし、私にとって一番のニュースは、このコンビがよくマッチしているだけでなく、最近はまったく目にしなかったプロダクトが、比較的若く手ごろな価格のブランドから出てきたということだ。

価格と発売日について話をしよう。このセットは4月22日午前10時(EST、日本時間では23日の午前0時)からバルチックのWebサイトで2100ユーロ(日本円で約34万5200円、日本での販売なし)で販売される。セットとしてはとてもお買い得だ。私が以前購入したトリコンパックスはそれ以上の値段だったが、ラリータイマーは付いていなかった。そうすると、私はこのセットを手に入れるべきなのだろうか? さて、このような時計は欲しいが必ずしも必要ではないもののカテゴリーに入ると書いたのを覚えているだろうか? 私は現在クルマを持っていないので、1日のなかでダッシュするタイミングは朝コーヒーを買いにデスクを往復するときだけだ。だからと言って欲しいとは思わないかというと……、そんなことはない。

バルチック(BALTIC) “ツアー・オート” トリコンパックス&ダッシュボードタイマー限定セット。時計は直径39.5mm×厚さ13.5mm、316Lステンレススティール製ケース、ラグからラグまで47mm、ラグ幅20mm。マット仕上げのライトベージュダイヤル、ギヨシェを施したホワイトのサブダイヤル、スーパールミノバとフレンチ“トリコロール”ダイヤル、アルミニウムタキメーターベゼル。ムーブメントはセリタ製手巻きクロノグラフCal.SW-510-M。50m防水。ハンハルト製機械式ムーブメントによるフライバック機能付きストップウォッチと、シーガル製機械式ムーブメントCal.ST3600/6497 によるダッシュクロックを備えたダッシュボードタイマーセット。スティール製マウント。シリアルナンバー入り限定500セット。価格は2100ユーロ(日本円で約34万5200円)、日本での販売予定はなし。

KSKベースのモデルに注力していたキングセイコーからいよいよ完全新作が発表された。

ブランド復活から2年が経過した今年、キングセイコーから新たに「KS1969」が発売される。その名前のとおり、1969年に登場した45KCM(KCMはキングセイコークロノメーターの意)をデザインモチーフとしたシリーズだ。45KCMはセイコーが国産機械式時計の発展をけん引していた時期のモデルであり、直線を基調としたそれまでのデザインから一風変わった、なめらかな曲線を描くアイコニックなトノー型のケースを備えていた。

今回発表されたレギュラーモデル3型(SDKA017、SDKA019、SDKA021)および限定モデル(SDKA023)はその45KCMの外観を踏襲しながら、現代の技術を持ってさらに高い美観を実現したものとなっている。

1969年登場のキングセイコー 45KCM。

人気のセイコースーパーコピー 代引き専門店KS1969においてもっとも特徴的なのは、左右に広がるゆるやかに湾曲したケースだろう。ラグからラグまでひと続きになった曲面を鏡面で歪みなく仕上げるのは、技術的に非常に難易度が高い。しかし、新作と1969年のオリジナルモデルを詳しく比較してみたわけではないものの、写真のうえでは新作がより三次元的で優雅なフォルムを実現しているように見える。ケースサイドからラグにかけてのエッジの立ち方もシャープで、メリハリが利いている。

サイズは直径39.4mmで厚さが9.9mm。既存モデルであるSDKA005(直径38.6mm、厚さ10.7mm)と比較するとケース両サイドの曲面のぶんだけ幅が出ているようだが、ケースサイドが裏蓋側に向かって薄くシェイプされたフォルムのためか、実寸よりもややコンパクトに見える。また、ケースの厚みが10mmを切ったことで、ドレスウォッチらしい上品な雰囲気すら漂っている。なお、この薄さには、セイコーの現行機種において最薄の自動巻きムーブメント6L35を引き続き採用したことも関係していると思われる。

その他ディテールを挙げるとすれば、12時位置のインデックスが従来のライターカットではなく矢羽根をイメージしたものになっていること、時分針が力強いドーフィン針から端正なバトン針に変更されていること、60年代のキングセイコーからヒントを得た新開発の多列ブレスレットを使用していることだろうか。特にブレスはひとコマの長さが短めに設定されていることで、手首に沿うようなフィット感を生み出している。

なお、レギュラーモデル3型においては、過去と未来が交錯する東京に着想を得たダイヤルが採用された。シルバーダイヤルは今回新たに開発された型打ち模様により現代の東京の街並みを、パープルダイヤルは古くから人々に愛されてきた伝統色“江戸紫”を、グリーンダイヤルはそのグラデーションによって東京の緑豊かな一面を表現しているのだという。一方SDKA023では、セイコーブランド100周年記念限定モデルという立ち位置もあり、次の100年への飛躍を願いとして込めて“昇龍”をダイヤル上で表した。天高く飛翔する龍、その鱗紋様を立体的なトライアングルパターンに落とし込みながら、生命の源かつ龍を象徴する“清流”を想起させるライトブルーグリーンをあしらっている。これでもかと験(げん)を担いだ、実に日本的な一本だ。

これらはすべて7月6日(土)に発売予定、価格は39万6000円(税込)となっている。全国のセイコーウオッチサロンにて購入可能だ。

ファースト・インプレッション
キングセイコーは2022年のブランド復活以降、1965年に発売された2代目モデル“KSK”にインスパイアされたプロダクトを発表し続けてきた。ときにダイヤルのカラーやパターンを変えたり、サイズを微調整したりなどアレンジを加えながら、60年代のインダストリアルデザインを思わせる力強いフォルムで僕たちを魅了してきた。今キングセイコーと聞くと、やはり大胆な多面カットが施されたケース&ラグ、インデックスに向かってシャープに伸びる太く長い針、ダイナミックに光を反射するフラットな多列ブレスレットが思い浮かぶ。セイコーは“KSK”というアイコニックなアーカイブを(現代的に昇華しつつ)用いながら、この2年でキングセイコーというブランドをしっかりと確立してきたのだ。そして今回のKS1969の投入は、現代キングセイコーを次のステップに進めるための布石であるように思われる。

KSKモデルは洗練された力強さがあり、KS1969は優雅でエレガントである。同じブランドで同じムーブメントを積んでいながら、そう言い切れるほどデザインは明確に棲み分けられている。それはケースのフォルムもさることながら、細く長くとられたバトン針、さらに多列になり繊細な印象を強めたブレス(よく見ると、各コマも丸みが強調されている)などの細部にも表れているように見える。

しかしそれらは、KSKモデルが確立した現代キングセイコーの文脈のうえに行われている。針とインデックスに施されたきらびやかな多面カット、ボックス型のサファイアクリスタル風防、そしてキングセイコーが生まれた地である東京にインスパイアされたダイヤル表現などを要素として踏まえることで、本作KS1969もモダンとクラシックが同居するあくまでも現代キングセイコーらしいルックスに仕上がっている。

なお、KS1969は従来のKSKモデルと比較すると、プライスの面で大幅な上昇が見られる。先日一度手に取って見てみた印象から言うと、三次元的なカーブを描くケースの処理、および今回のために新開発されたという13連ブレスなど、外装面での美観の向上が影響しているのではないだろうか。しかしこれによって、オリジナル45KCMの丸みを帯びた優美なフォルムが現代的に進化しているのも事実だ。そこに価値を見出せる人にとっては、現代キングセイコーにおける新たな選択肢となるだろうと思う。オリジナルやKSKモデルとのより詳細な比較や、今作における技術面でのストーリーなどは追ってレポートしたい。

ちなみに、僕はヴィンテージのキングセイコーならKSKよりも45KCMのほうが好みだ。45KSCこと“キングセイコー スーペリアクロノメーター”は、45系という3万6000振動/時(10振動/秒)のハイビートムーブメントを搭載していた。この45系ムーブメントは、当時の第二精工舎の亀戸工場がクロノメーターコンクールのために開発したものを市販用にモディファイしたものなのだという。その逸話からも納得の高精度を誇っており(しばしばゼンマイ切れに悩まされる時計ではあったというが)、セイコーがかつて天文台コンクールでスイスブランドとしのぎを削っていたころを思い起こさせてくれるモデルとなっている。

今回のKS1969は、そんな45KCMをモダンにアップデートした時計だ。願わくば今後10振動のハイビートムーブメントを搭載した“完全復活版45KCM”にも期待したいところだが、まずはこの当時を思わせるエレガントなフォルムを存分に堪能してみたいと思う。

基本情報
ブランド: キングセイコー(King Seiko)
モデル名: KS1969
型番: SDKA017(シルバー)、SDKA019(パープル)、SDKA021(グリーン)、SDKA023(ライトブルーグリーン)

直径: 39.4mm
厚さ: 9.9mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: シルバー(SDKA017)、パープル(SDKA019)、グリーン(SDKA021)、ライトブルーグリーン(SDKA023)
インデックス: アプライド
夜光: なし
防水性能: 日常生活用強化防水(5気圧)
ストラップ/ブレスレット: スティールブレスレット
追加情報: 内面無反射コーティングが施されたボックス型サファイアガラス風防

ムーブメント情報
キャリバー: 6L35
機構: 時・分表示、センターセコンド、3時位置に日付表示
パワーリザーブ: 約45時間
巻き上げ方式: 自動巻き(手巻き)
振動数: 2万8800振動/時
石数: 26
精度: 日差+15秒~-10秒(気温5℃~35℃において腕につけた場合)

価格 & 発売時期
価格: 39万6000円(税込)
発売時期: 7月6日(土)
限定: SDKA023のみ世界限定700本

美術館とのパートナーシップを深めているヴァシュロン・コンスタンタン。

ヴァシュロン・コンスタンタン 「メティエ・ダール-伝統的シンボルに敬意を表して-永遠の流れ、月光」

同社が丁寧に守ってきた芸術的装飾技法(メティエ・ダール)を用いて生み出される作品は、美しいだけでなく、伝統技法の継承にもつながっている。その最新作では、14世紀に誕生した中国の伝統的なモチーフである「海水江崖」を表現した。

世界で最も複雑な機械式時計を製造した技巧派であるヴァシュロン・コンスタンタン(その詳細はこちらの記事をチェックして欲しい)は、伝統技術の活用・継承に対して真摯に取り組むメゾンでもある。時計や宝飾品の製作に用いられる装飾技法をたたえる“メティエ・ダール(Metiers d'Art)”は、グラン・フーやプリカジュールといったエナメル技法にジェムセッティング、彫金、ギヨシェ彫りなどを駆使して、時計という小さなキャンバスに美しい世界を描くコレクションだ。同社のタイムピースは、人気のスーパーコピー 代引き専門店そのモチーフを決める際に文化や芸術、歴史などからインスピレーションを得るのが特徴で、さらにその表現が生きるような自社製ムーブメントを選び、伝統と技の融合から美しい高級時計を生み出してきた。

乾隆帝(けんりゅうてい)。清朝第6代皇帝で1735〜1796年までの約60年にわたり中国を統治し、清朝の全盛期を築く。文化と芸術を奨励し、多くの文学や絵画を収集・保護したことでも知られている。その装束に海水江崖のモチーフが随所にあしらわれているのがよく分かる。

同治帝(どうちてい)。清朝第10代皇帝で、1861〜1875年まで在位。同治帝の時代においても清朝の宮廷文化は活発で、彼が身につけていた装束にも見事に現れている。
今回ヴァシュロン・コンスタンタンが題材に選んだのは、中国の伝統的なシンボル「海水江崖」だ。これは14世紀に誕生したという伝統的な文様で、うねる海と岩、そして岩にぶつかって砕ける波をグラフィカルに描き出す。皇帝の祭礼時の装束、陶磁器、建築物の装飾、家具などにこのデザインが取り入れられ、その威厳や権力を象徴するものとして尊重されてきた。その構図はかなり複雑であるため、逆に同社ならではのメティエ・ダールの表現力が生きた時計となっている。

 なお、今回発表された時計の絵柄は、クロワゾネ・エナメルと彫金を用いた“メティエ・ダール 伝統的シンボルへ敬意を表して‐永遠の流れ(以降、永遠の流れ)”と、グラン・フー エナメル、彫金、ジェムセッティングを用いた“メティエ・ダール 伝統的シンボルへ敬意を表して‐月光(以降、月光)”の2種。それぞれに18Kピンクゴールドとホワイトゴールド製のケースが用意され、バリエーションは全部で4つ。各15本の限定生産となる。

 ヴァシュロン・コンスタンタンがメティエ・ダールで用いるムーブメントは、主に3種ある。中央に彫金などを配置する場合は回転ディスクを用いるCal.2460 G4、絵柄をダイナミックに表現する場合は複層ダイヤルになるCal.1120 ATが選ばれる。しかし今回は平面上に広がる伝統的なシンボルを表現したいということから、時・分針のみのシンプルな自動巻きCal.2460 SSが選ばれた。ムーブメント径が26.2mmで厚さが3.6mmというコンパクトなサイズのため、時計のケース径も38mmという美しいバランスになった。ローターには波や潮の流れを思わせる繊細な彫金が施されており、完成度の高い時計となっている。
メティエ・ダール - 伝統的シンボルに敬意を表して - 永遠の流れ


 永遠の流れで主体となる芸術技法はクロワゾネ・エナメルだ。日本では有線七宝と呼ばれる技法だが、もともとは中国に起源を持ち、景泰藍(けいたいらん)という名前で知られていた。明の景泰帝(1449〜1457年)の時代に最盛期を迎え、下絵に合わせて繊細な金線を折り曲げ固定し、それぞれの仕切りのなかにエナメルを入れて焼き上げるというもの。この作品では220本の金線を使用しており、これを敷き詰める作業だけでも50時間以上を要するという。

さらに美しい色に配合されたエナメルを筆を使って流し込み、工程ごとに高温で焼き上げる。失敗を許されない繊細な作業に70時間以上を費やした美しいダイヤルは、最後に半透明のエナメルコーティングを施して完成となる。この作品で描かれたのは、色鮮やかな植物に覆われた山の頂が高波に洗われている様子だ。山の背景には星空が輝いており、左右対称のドラマティックな作品に仕上がっている。

また色鮮やかなクロワゾネ装飾を際立たせるように、ベゼル部分には彫金が施されているが、渦巻で構成されるこのモチーフは、縁起が良いとされるコウモリをイメージしたものである。
メティエ・ダール - 伝統的シンボルに敬意を表して - 月光

色彩豊かな永遠の流れに対し、月光ではモノクロームの世界を表現した。ダイヤルは3つのパートからなり、背景部分はブルーのグラン・フー エナメルを施して海を表現。層を重ねるごとに焼き上げることで深みのある表情を引き出し、その上に施したくぼみにホワイトエナメルで繊細な波模様を描いている。また岩に当たって砕ける白波は、ブリリアントカットのダイヤモンドを238個も使用したジェムセッティングで表現。そして手前にそびえる荒々しい岩山を表現。ベースの金属部分に彫った溝にエナメルを施すシャンルヴェエナメルの技法を用いて立体感を演出する。
さらにベゼルにも74個のブリリアントカットダイヤモンドをセッティングし、月夜に浮かぶ美しい情景を表現した。

ファースト・インプレッション
近年、メティエ・ダールに力を入れるブランドが増えている。いわゆるコンプリケーションウォッチのトレンドが一巡し、技術的にも成熟したため、次なる高級時計の表現方法として力を入れているのだろう。その一方で、職人を育成してきたブランド側の努力は無視できない。メティエ・ダールの中心となるエナメル装飾職人は、後継者不足と伝統技術の継承の難しさ、そして高度な技術と経験が必要であることを理由に一時期かなり減少してニーズに対応できない時期もあった。しかし地道な育成プログラムのおかげもあり、多くのメティエ・ダール作品がつくられるようになった。そこには伝統的な装飾技術やその文化を守りたいという意識があったことは間違いない。

ヴァシュロン・コンスタンタンのメティエ・ダールにも文化保護といったメッセージもある。モチーフとするのは伝統や文化、干支、遺産などが多く、人類の英知を讃えようという一貫した姿勢があり、その荘厳な世界観に引き込まれてしまう。

2022年に発表された「メティエ・ダール 偉大な文明へ敬意を表して」は、ルーヴル美術館とのパートナーシップから生まれたもので、サモトラケのニケやアウグストゥス帝の胸像などの大きな彫金をダイヤルの中央にあしらう大胆な構成が話題となった。それに比べると今回のメティエ・ダール作品は、モチーフの美しさや壮大さを表現することに注力しているように思える。製作に際しては北京故宮博物院で副研究館員を務めた宋氏に協力を依頼し、何度もマニファクチュールの職人たちとセッションを重ね、文化的、歴史的意味までしっかり学んだうえで作品に取りかかったそうだ。その丁寧なプロセスが、完成度の高さに直結しているのは想像に難くない。

本作でもさまざまなメティエ・ダールの技法が用いられているが、やはり見どころはエナメル技法だろう。昨年、ヴァシュロン・コンスタンタン本社内にあるメティエ・ダール工房を取材させてもらったが、特に興味深かったのがエナメル技法だった。壁にはエナメルのカラーパッチが並んでおり、使用する塗料には1950年代のものもあるという。ダイヤル素材によっても発色が異なるため、理想の色を出すためには技術だけでなく、どれだけ多くの塗料を持っているかがカギになるそうだ。そしてこういったノウハウがクロワゾネの色鮮やかな配色や深みのあるブルーに生かされるのだ。

ヴァシュロン・コンスタンタンでは、多くのメティエ・ダール作品を作り続けることで、表現と創造性の幅を広げている。そして伝統的なモチーフを繊細な技術によって美しく表現することで伝統文化に対する敬意を示す。時計をアートとして昇華させるメティエ・ダールは、美しい文化遺産を世に知らしめる役割も果たすとともに、265年以上もの歴史を誇る老舗メゾンに連綿と継承されてきた時計づくりの技法を今に伝えている。
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基本情報
ブランド: ヴァシュロン・コンスタンタン(Vacheron Constantin)
モデル名: メティエ・ダール - 伝統的シンボルに敬意を表して - 永遠の流れ&月光
型番:Ref.2400A/000R-H024、2400A/000G-H023(永遠の流れ)/Ref.2405A/000R-H022、2405A/000G-H021(月光)

直径: 38mm
厚さ: 9.88mm
ケース素材: 18Kピンクゴールド(PG)、18Kホワイトゴールド(WG)
文字盤: クロワゾネ・エナメル仕上げダイヤル&手作業の彫金を施したベゼル(永遠の流れ)/グラン・フー・エナメル仕上げ&手作業の彫金によるモチーフのダイヤルに238個のブリリアントカットダイヤモンドをセット(月光)
インデックス: なし
夜光: なし
防水性能: 3気圧
ストラップ/ブレスレット:ダークブルーまたはバーガンディのミシシッピアリゲーターレザーストラップ(同色系の手縫いサドルステッチ、アリゲーターレザーのライニング)、18KPGまたは18KWGのフォールディングクラスプ

ムーブメント情報
キャリバー: 2460
機能: 時・分表示
直径: 26.2mm
厚さ: 3.6mm
パワーリザーブ: 約40時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 27
クロノメーター認定: なし
追加情報: ジュネーブ・シール取得、

価格 & 発売時期
価格: 要問い合わせ
発売時期: ●●●●●●●●
限定: 各世界限定15本。ヴァシュロン・コンスタンタンブティック限定モデル

ロンジン スピリット Zulu Time 39mmにチタンモデルが登場

2024年現在、GMTウォッチの選択肢は豊富にある。なかでもロンジン スピリット Zulu Timeコレクションは手ごろな価格ながら完成度が高く、つけ心地のよいトラベルウォッチを提供し続けている。最新モデルであるZulu Time 39 チタンも例外ではなく、本作はこれらの要素をすべて備え、ロンジン スピリットコレクション全体を引き続き際立たせる存在だ。

 昨年、口コミ第1位のロンジン スーパーコピー 代引き専門店は大振りなZulu Time 42mmモデルに続いて、ステンレススティール製の小型版Zulu Time 39mmを発表した。GMT・ジェームズは実機レビューでこれを取り上げ、“旅行にもぴったりのハンサムなデザイン”と評価した。
 新作のZulu Time 39mmは、39mm径×13.5mm厚(ラグからラグまで46.7mm)のグレード5チタンケースを採用したモデルで、100m防水を確保している。ロンジンが手ごろな価格帯でもグレード5チタンを使用している点はうれしい驚きだ。ケースは主にサテン仕上げで、面取り部分はポリッシュ仕上げとなっている。なおブレスレットもチタン製である。ダイヤルはアンスラサイトで、ギルトの縁取りが施されたアラビア数字インデックスが配置され、スーパールミノバを塗布している。GMT針の赤い先端と“Zulu Time”の赤い文字が、時計にさりげないアクセントを与え、6時位置には5つ星が輝く。コメントで文句を言いたいかもしれないが、同じことを繰り返し指摘するのはやめよう。



 デイト窓は6時位置に配置。昨年のSSモデルとは異なり、ダイヤルに合わせたギルトカラーのプリントが使われており、控えめながらもうれしいアップデートとなっている。
 両方向回転式のセラミック製ベゼルインサートはブラックだが、半分はポリッシュ仕上げ、もう半分はマットブラックとインテンスポリッシュブラック仕上げが施されている。そのため光の当たり方や角度によって、ベゼルの半分ずつが異なる色に見える。この効果はZulu Timeの初期レンダリングでは気づかなかったが、とてもクールな効果だ。ただし、白い数字がダイヤルのギルトアクセントと少しちぐはぐに感じられ、時計全体が伝統的なデザインと現代的な仕上げの狭間で揺れているように見える。

ロンジン“Zulu Time”の起源は、1920年代に製造された非常に希少な角型時計にある。この時計は第2時間針を備えており、“Zulu”(グリニッジ標準時)を現地時間に変換するために使われた。このホワイトゴールドモデルは2010年にアンティコルムで落札された個体だ。現代のスピリット Zulu Timeは、この長方形のロンジンとは似ても似つかないが、ロンジンの歴史を物語る魅力的なピースである。
 通常、チタンモデルであればモダンなデザインを好むが、Zulu Time 39mm チタンを手にして考えが変わった。というのも、私の手首に合わせたロンジン Zulu Time 39mm チタンの重さは約96g(公式では95.5g)であった。興味深いことに、これは同じ手首に合わせたヴィンテージのロレックス 1016とまったく同じ重さである。軽量なチタンという特性は、手首につけていることを忘れそうになるヴィンテージのSSウォッチを思い起こさせる。現代の一般的なSSウォッチは重すぎて、この軽快なヴィンテージの雰囲気を再現するのは難しい。

 チタン製Zulu Timeの選択肢の広がりについての悩みはさておき、SSモデルがさまざまなバリエーションを展開しているように、チタンモデルも今後同様に多様な選択肢が用意されるだろうと想像している。
 チタン製ブレスレットはていねいに作られており、サテンとポリッシュ仕上げの両方が施されている。ただし、工具を使わずに微調整できる機能はなく、伝統的な5段階の微調整機能がフォールディングクラスプに組み込まれている。多くのブランドが工具不要のマイクロアジャストを提供している今、ロンジンもこの点をアップデートできると思う。とはいえブレスレットにはロンジンのインターチェンジャブルシステムが搭載されており、工具を使わずに簡単に取り外すことができる。またブレスレットはラグ幅21mmからクラスプにかけて16mmへときれいにテーパーしている。ブレスレットのエンドリンクがラグから外側に突き出しているため、ラグトゥラグの長さが実際よりも大きく感じるが、それでも6.3インチ(約16cm)の自分の手首にしっかりなじんだ。

 ほかのスピリット Zulu Timeコレクションと同様、このバージョンはロンジンのL844.4自動巻きキャリバーを搭載している。これはETAベースのムーブメントをロンジン用に改良・調整したもので、ハック機能、手巻き機能、クイックセットの日付機能、そしてローカルジャンピング式の“フライヤー”GMTを備えている。リューズを緩め、日付表示と同じように時針をクイックセットでき、午前0時をまたぐ際には日付も自動的に調整される仕組みだ。L844.4はシリコン製ヒゲゼンマイを搭載し、COSC認定も取得。これらは現代のスイス製機械式ムーブメントに期待されるすべての要素を満たしている。ロンジンがさまざまなエングレービングで飾られたクローズドケースバックを採用したのは賢明な判断だ。

 ロンジン スピリット Zulu Timeのリミテッドエディションが登場したあとに、39mmのチタン製GMTが一般販売されることは驚きではないかもしれない。しかし、その完成度とディテールへの配慮はスピリットコレクションへの価値ある追加といえる。ケースのプロポーションはバランスが取れており、装着感もいい。普段はSSモデルを好むことが多いが、Zulu Timeに関してはチタンのほうが好ましい。39mm径×13.5mm厚の時計は、厚みがあってバランスが悪く感じられる可能性もあるが、軽量なチタン素材がその心配を和らげてくれる。ベゼルは全体がブラックだが、異なる仕上げによってさりげないコントラストが生まれている。たとえば新しいグレー×ブラックのロレックス GMTよりもはるかに控えめだ。カラーではなく、仕上げを工夫してツートンのGMTベゼルのような外観を作り出すというこの発想が私は大好きだ。

私の6.3インチ(約16cm)の手首に。
 チタン製のロンジン スピリット Zulu Timeは、手ごろな“フライヤー”GMTキャリバーが普及したことで、競争の激しいGMT市場に加わることとなった。それでもこのモデルは絶妙なポジションに位置する。率直に言えば、ブレスレット付きで62万4800円のチタン製Zulu Timeは、64万3500円の(ともに税込)SS製チューダー ブラックベイ 58 GMT(ブレスレットタイプ)よりも手ごろだ。これは好みの問題だが、個人的にはチタン製Zulu Time 39mmの感触や見た目が好みだ(気が変わるかもしれないが)。どちらの時計も厚みがあるわけではないが(ブラックベイ 58 GMTは12.8mmの厚さ)、チタンケースはとても快適で、両者の0.7mmの厚みの違いを補うほどの優れた装着感を提供している。

 この価格帯のGMTウォッチには細かな違いがいくつかあり、それがはっきりと感じられる。どれも完璧ではないが、それもまた楽しさのひとつだ。購入を検討しているならデザイン、機能性、価格のどれを重視するかをしっかり考えることが重要である。今はほぼすべての人に合うGMTウォッチが見つかる時代になっているのだ。
 あなたが選ぼうが選ぶまいが、ロンジンのチタン製Zulu Time 39mmは、堅実で適切なサイズ感のスイス製フライヤーGMTだ。しかも70万円以下で手に入る。これらの要素が揃っていることにより、この時計のコストパフォーマンスの高さは際立っており、もしGMTを探しているなら一考に値するモデルだ。
ロンジン スピリット Zulu Time 39mm。Ref.l38021536。39mm径、13.5mm厚、ラグからラグまで46.7mmのグレード5チタンケース、100m防水。21mmから16mmへとテーパーするチタンブレスレット。アンスラサイトダイヤルには、針と数字にスーパールミノバを塗布。ポリッシュ仕上げとマイクロブラスト仕上げのコントラストが美しいブラックセラミック製ベゼル。ロンジンの自動巻きCal.L844.4搭載、2万5200振動/時(3.5Hz)、約72時間パワーリザーブ。メーカー希望小売価格は62万4800円(税込)。